「複数の不動産屋に問い合わせたけれど、1社に絞りたいから他を断りたい」 「親身に対応してくれた担当者になんて言って断ればいいか分からない…」
お部屋探しをしていると、より良い物件に出会うために複数の不動産会社を掛け持ちすることはよくあります。しかし、いざ断るとなると気まずくて、つい連絡を後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、不動産屋の掛け持ちを断ること自体は全く問題ありません。大切なのは、タイミングと「角が立たない伝え方」です。
この記事では、不動産業界のリアルな目線から、気まずくならない掛け持ちの断り方や、そのまま使えるメール・LINEの例文、そしてしつこい営業を避けるための注意点を分かりやすく解説します。
不動産屋の掛け持ちはしても大丈夫?まず結論
「不動産会社を複数使うのってマナー違反にならない?」と不安に思うかもしれませんが、まずは安心してください。

不動産仲介の仕組みとして、多くの物件は「レインズ」というネットワークを通じて、どの不動産屋からでも紹介・契約ができるようになっています。つまり、あなたが気に入った物件が特定の会社の専属でない限り、複数の不動産屋を掛け持ちし、対応やサービスで選ぶことは何ら問題ありません。
部屋探しで不動産会社を掛け持ちするのは珍しくない
不動産会社にとって、お客様が他社と比較検討しているのは日常茶飯事です。「より良い条件の部屋を探したい」「信頼できる担当者にお願いしたい」と思うのは当然のことなので、掛け持ちすること自体に引け目を感じる必要はありません。
ただし断らずに放置すると印象が悪くなりやすい
一番やってはいけないのが「フェードアウト(無視・放置)」です。 不動産会社の担当者は、あなたのために物件を探したり、管理会社に空室確認をしたりと動いています。
連絡を無視し続けると、電話やメールが何度も来ることになり、お互いにとってストレスになってしまいます。
申込や契約が進む前に断るのが基本
断るタイミングは「他で決める」と決めた時点、あるいは「この会社での部屋探しはやめる」と思った時点ですぐに伝えるのがベストです。物件の内見前や、少なくとも「入居申込」をする前には必ず断りの連絡を入れましょう。
不動産屋の掛け持ちを断るときの基本スタンス
いざ断りを入れる際、相手に不快感を与えず、かつスムーズに終わらせるための4つの基本スタンスをご紹介します。
断るときは早めに伝える

上の図からも分かる通り、不動産屋の目線で一番ありがたいのは「早く教えてくれること」です。内見、申込とフェーズが進むほど、担当者の労力も増えるため断るハードル(危険度)はどんどん上がってしまいます。
早く伝えてもらえれば、担当者も他のお客様の対応に時間を回せるため、恨まれるようなことはありません。
理由はシンプルで十分
「なぜ断るのか」を長々と弁解する必要はありません。「他社で希望に合う物件が見つかったため」「条件が合わなかったため」など、一言で伝わるシンプルな理由が一番相手も納得しやすいです。
嘘を重ねず、曖昧な返事をしない
「引っ越し自体がなくなった」という嘘をつくと、「では時期がずれた頃にまたご連絡しますね」と追客が続いてしまう原因になります。また、「もう少し考えます」といった曖昧な返事も、営業マンに期待を持たせてしまうためNGです。
電話だけでなくメールでも記録を残すと安心
言った・言わないのトラブルを防ぐためや、「電話で引き止められるのが怖い」という方は、メールやLINEなど文面で残るツールを使うのがおすすめです。
不動産屋の掛け持ちの断り方【メール・LINE例文あり】
最も心理的ハードルが低く、サクッと伝えられるメールやLINEでの断り方と、そのままコピペして使える状況別の例文を紹介します。
メールで断るときの基本構成
以下の3つの要素を組み合わせるだけで、丁寧で過不足ないお断りメールが完成します。
- 感謝: まずは物件探しを手伝ってくれたことへのお礼
- 結論: 今回は見送る(辞退する)という意思表示
- 理由: 他決した、条件に合わなかった等の簡潔な理由
例文1「他社で物件を決めたため辞退したい場合」
これが最もスムーズに引き下がってくれる最強の理由です。
〇〇不動産 〇〇様
お世話になっております。〇〇です。 先日は物件のご紹介や内見のご案内をしていただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ですが、他社様でご紹介いただいた物件で契約を進めることとなりました。 そのため、今回のお部屋探しにつきましては、一度キャンセルとさせていただけますでしょうか。
親身にご対応いただいたにもかかわらず、このようなお返事となってしまい申し訳ございません。 また引っ越しの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
例文2「条件が合わず今回は見送る場合」
他で決まったわけではないが、その会社からの紹介を断りたい場合の例文です。
〇〇不動産 〇〇様
お世話になっております。〇〇です。 先日はたくさんの物件をご提案いただき、ありがとうございました。
ご紹介いただいた物件を家族とも相談して検討いたしましたが、今回は私たちの希望条件と合わず、見送らせていただくことになりました。
せっかくお時間を割いて探していただいたのに申し訳ございません。 いったんお部屋探しをストップし、条件を整理し直そうと思います。
丁寧にご対応いただき、誠にありがとうございました。
例文3「まだ検討中だが、いったん紹介を止めてほしい場合」
毎日大量の物件情報が送られてきて負担になっている場合の例文です。
〇〇不動産 〇〇様
お世話になっております。〇〇です。 毎日たくさんの物件情報を送っていただき、ありがとうございます。
現在、いただいた情報をベースにじっくりと比較検討をしている最中です。 いったん情報を整理したいため、新しい物件のご紹介はストップしていただけますでしょうか。
気になる物件が定まりましたら、こちらから改めてご連絡させていただきます。 勝手を申しまして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
丁寧だが長すぎない文章にするコツ
「申し訳ない」という気持ちが強すぎると、無駄に言い訳が長くなってしまいます。営業マンは毎日何人ものお客様を対応しており、断られることにも慣れています。ビジネスライクに「結論ファースト」で伝えるのがお互いのためです。
不動産屋の掛け持ちの断り方【電話・対面】
電話がかかってきたタイミングや、店舗に行った際など、直接言葉で伝えなければならない状況でのポイントを解説します。
内見前に断る場合
内見の予約をしている場合は、絶対にドタキャンせず、前日までに連絡しましょう。
- 伝え方: 「明日の内見ですが、実は他社で先に紹介された物件で申し込みをしてしまったので、キャンセルさせてください。せっかく手配していただいたのに申し訳ありません。」
内見後に断る場合
内見まで付き合ってもらった直後は断りづらいですが、ズルズル引き延ばすのは禁物です。
- 伝え方: 「内見ありがとうございました。ただ、実際に見てみると少しイメージと違ったため、今回は見送らせてください。」
申込前に断る場合
「いったん持ち帰って考えます」と言った後、やはり断るケースです。
- 伝え方: 「昨日検討していた〇〇の物件ですが、やはり予算の兼ね合いで今回は申し込みを見送ります。」
入居審査や申込後は断り方より先に確認すべきことがある
もし、「入居申込書に記入した」「審査に通った」あとに断る場合は、早急に電話で連絡してください。 この段階では、管理会社や大家さんもあなたが入居する前提で動いています。
キャンセル自体は可能(契約前なら違約金はかからないのが原則)ですが、多大な迷惑がかかるため、誠意を持って理由(他で決まった、家庭の事情が変わった等)を伝え、平謝りするしかありません。
断る理由はどう伝える?使いやすい断り文句
「なんで見送るんですか?」と聞かれたときに、パッと使える無難な断り文句をまとめました。
他社で決まったと伝える
「他決(たけつ)」と呼ばれる、業界で最も納得される理由です。「もう別の部屋で契約が進んでいる」と言われれば、不動産屋もそれ以上営業する意味がなくなるため、あっさり引き下がってくれます。
希望条件に合わなかったと伝える
「駅からの距離が妥協できなかった」「想定より初期費用が高かった」など、条件の不一致を理由にする方法です。ただし「じゃあもっと駅近を探しますよ!」と別の提案が続く可能性がある点には注意が必要です。
家族と相談して見送ると伝える
「親(やパートナー)から反対された」という第三者を理由にする方法は、自分ではどうしようもない不可抗力感を出しやすいため有効です。
まだ探し始めで比較したいと伝える
「まだ探し始めたばかりで相場観を知りたかっただけなので、今回は急いで決めません」と、検討の時期をずらす理由です。
無理に細かく説明しなくていい理由
どの会社で決めたのか、どこの物件にしたのかなど、詳細を答える義務はありません。「他で決まりましたので」の一点張りでも全く問題ありません。
しつこい営業をされにくくするための注意点
断ったのに食い下がられたり、その後もしつこく連絡が来たりするのを防ぐためのコツです。
断る時期が遅いほど引き止められやすい
不動産屋も、あなたにかけた時間や労力(内見案内や大家さんへの交渉など)が大きいほど、「なんとかウチで決めてほしい」と食い下がってきます。気まずいからと後回しにせず、早めに断るのが鉄則です。
「また連絡します」は使わない方がいい
気を使って「今回は見送りますが、また引っ越しの際は連絡します」と言ってしまうと、営業マンの顧客リストに残り続け、定期的に営業電話がかかってくる原因になります。完全に断りたい場合は「お部屋探しはいったん終了しました」と伝えましょう。
今後の連絡を止めてほしい場合は明確に伝える
「すでに他で決まったので、今後の物件紹介メールやお電話は不要です。ありがとうございました」と、これ以上の連絡をストップしてほしい旨を明確に伝えることが重要です。
不安なら文面で残る形でやり取りする
口頭で押し切られやすい性格の方は、「言った・言わない」を防ぐためにも、電話のあとに「先ほどお電話でお伝えした通り、今回はキャンセルでお願いいたします」とLINEやメールを残しておくと安心です。
こんな場合は掛け持ちを断る前に整理したい
「断ろうか迷っているけれど、状況が少し複雑…」という場合の対処法です。
まだどの物件にするか決めきれていない場合
A社とB社でそれぞれ違う物件を紹介され、どちらの部屋にするか迷っている場合は、焦ってどちらかを断る必要はありません。「今、他社の物件と最終比較をしており、数日中には結論を出します」と正直に伝え、待ってもらいましょう。
担当者ではなく物件に不満がある場合
「担当者の対応は良いけれど、紹介される物件がイマイチ」という場合は、断るのではなく「条件のすり合わせ」が足りていないだけかもしれません。
「家賃をあと5千円上げたらどうなりますか?」「このエリアも追加して探せませんか?」と条件を変えて再度依頼してみるのも手です。
別会社でも同じ物件を紹介されている場合
賃貸物件は、どの不動産会社からでも同じ部屋を紹介できる仕組みになっています。もしA社とB社で同じ部屋を勧められたら、「対応が早い・丁寧」「仲介手数料が安い」など、自分にとってメリットが大きい方の会社を選び、もう一方は「他社で申し込みました」と断ればOKです。
申込後・審査後でキャンセルが絡む場合
前述の通り、申込書を書いた後や審査通過後のキャンセルは非常にデリケートです。「別の不動産屋に変えたいから」という理由でのキャンセルは、管理会社や大家さんの心証を著しく悪くし、最悪の場合、その物件自体に住めなくなる(ブラックリスト化する)可能性もあるため、非常に慎重な判断が必要です。
⇒ あわせて読みたい
申込書を書いた後や、入居審査に通った後のキャンセルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
今の不動産会社を断って別で探したい人へ
「今の担当者とは合わないから断ったけれど、これからどうやって探そう?」とお悩みの方へ。
合わない担当者を無理に続けなくていい
「レスポンスが遅い」「希望と全然違う物件ばかり押し売りしてくる」「態度が高圧的」など、不信感を抱く担当者と無理に付き合う必要はありません。お部屋探しは大きな契約ですので、スパッと断ってリセットするのは正しい判断です。
不動産屋を変更する際のトラブル防止策、スムーズな切り替えのための手順を解説しています。
次は条件整理をしてから探すと失敗しにくい
違う不動産屋に行く前に、「なぜ前の会社では上手くいかなかったのか」を振り返りましょう。家賃の上限、絶対に譲れない設備、妥協できるポイントなどを自分の中で明確にしてから相談すると、次の担当者も物件を提案しやすくなります。
部屋探しで失敗しないための優先順位の付け方や、後悔しないための判断基準を解説しています。
不安があるなら最初から相談しやすい会社を選ぶ
「また店舗に行って、しつこく営業されたらどうしよう…」と不安な方は、最初から来店不要で、チャットやLINEでフランクに相談できる不動産サービスを利用するのがおすすめです。
不動産業界の内側を知る立場から、良い不動産屋の選び方を具体的に解説しています。
ホンネ不動産なら本音で比較しながら部屋探しできる
もし新しい不動産屋選びに迷ったら、ぜひ『ホンネ不動産』をご活用ください。 不動産業界の仕組みや裏側を知り尽くした私たちが、あなたの希望条件をじっくりとヒアリングし、情報の透明性を担保した上で、納得のいく住まい探しをエスコートいたします。
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不動産屋の掛け持ちの断り方に関するよくある質問
不動産会社の掛け持ちは失礼ですか?
A. 全く失礼ではありません。
むしろ、人生で大きなお金が動くイベントですので、複数社を比較検討するのは賢い方法です。不動産業界の人間もそれは理解しています。
嘘の理由で断っても大丈夫ですか?
A. 「他社で決まった」という無難な理由(嘘)であれば問題ありません。
ただし、「転勤がなくなった」「親が病気になった」など、過度な嘘をつくと話の辻褄が合わなくなったり、余計な心配をかけたりするため、シンプルに「他決した」と伝えるのが一番平和です。
断ったあとに再度お願いしてもいいですか?
A. 基本的には問題ありませんが、少し気まずさは残ります。
「他で決まったと言って断ったけれど、やっぱりあの部屋が良くて…」という場合、不動産屋としては「戻ってきてくれて嬉しい」と思う反面、「またキャンセルされるかも」と警戒される可能性はあります。
申込後に断ると違約金はかかりますか?
A. 「賃貸借契約」を結ぶ前(ハンコを押す前)であれば、キャンセル料や違約金はかかりません。
申込金(預り金)を払っていた場合も、全額返金されるのが法律上のルールです。ただし、関係各所に多大な迷惑がかかるため、モラルとして安易なキャンセルは避けましょう。
まとめ
不動産屋の掛け持ちは悪いことではありませんが、断ると決めたら「早めに・シンプルに」伝えるのが大人のマナーです。
- 伝えるタイミング: 断るなら内見前、遅くとも申込前に!
- 最強の断り理由: 「他社で希望の物件が決まったため」
- おすすめのツール: 気まずいならメールやLINEでサクッと伝える
「相手に申し訳ない…」とフェードアウトしてしまうのが一番トラブルになりやすいので、ご紹介したメールの例文を使って、サクッとお断りの連絡を入れてみてください。そして、あなたが本当に信頼できる不動産パートナーと一緒に、最高のお部屋探しを成功させてくださいね。
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