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賃貸の火災保険は自分で選べる?指定保険との違い・相場・注意点を解説

【監修】角名 達矢

(株)ホンネ不動産創業者、宅地建物取引士、不動産業界20年以上。22歳の時に就職した会社にて不動産業界の慣例・慣習があまりにもひどく衝撃を受け、実務を経験した後27歳で独立。TVメディアに多数出演。賃貸仲介・売買仲介ともに経験豊富です。

賃貸の初期費用見積もりを見て、「指定された火災保険(約2万円)って高くない?自分で安い保険を選べないの?」と疑問に感じていませんか?

結論から言うと、賃貸の火災保険は原則として「自分で選ぶことが可能」です。

しかし、安さだけで適当なネット保険を選ぶのは危険です。管理会社が求める条件(補償額など)を満たしていないと、他社保険への加入を断られたり、万が一の事故で数千万円の自己負担が発生するリスクがあります。

この記事では、不動産のプロ視点で以下のポイントを解説します。

  • 火災保険を自分で選ぶための条件と具体的な進め方
  • 絶対に外してはいけない「借家人賠償責任・個人賠償責任」の基準
  • 管理会社が「指定保険」を勧める本当の理由と、加入必須なケース

この記事を読めば、無駄な初期費用を賢く抑えつつ、万が一のトラブルも防げる「正しい火災保険の選び方」がすべてわかります!

賃貸の火災保険は自分で選べる?まず結論

まずは、賃貸の火災保険に関する結論からお伝えします。

原則として火災保険は自分で選べる

結論から言うと、原則として火災保険は自分で選ぶことが可能です。

法律上、「指定された火災保険に加入しなければ賃貸契約を結んではいけない」という決まりはありません。そのため、自分で補償内容を比較し、納得できる保険会社の商品を選んで加入すること自体は可能です。

ただし管理会社・貸主が指定保険を条件にするケースもある

原則として選べるものの、物件の貸主(大家さん)や管理会社が「当社の指定する火災保険への加入を契約の絶対条件とする」と定めているケースも少なくありません。

この場合、指定保険への加入を拒否すると、賃貸借契約を締結できないケースがあります。貸主や管理会社が一定の補償内容を確保する目的で契約条件として指定していることも多く、契約内容として定められている場合は、その条件に従う必要があります。

安さだけで選ぶと必要な補償が足りないことがある

ネット型や共済系の火災保険は保険料が安い傾向にありますが、安さだけで選ぶのは危険です。

保険料が安いプランは、いざという時の補償上限額が低く設定されていたり、必要な特約が外れていたりすることがあります。管理会社が求める補償水準を満たしていないと、自分で選んだ保険での加入を断られてしまいます。

大切なのは「借家人賠償責任」と「個人賠償責任」の補償額

自分で保険を選ぶ際、不動産会社や管理会社が最も重視してチェックするのは「借家人賠償責任」と「個人賠償責任」の補償額です。

自分の家具や家電を守る家財補償以上に、この2つの補償額が、管理会社や貸主が求める基準(1,000万円〜2,000万円以上など)を満たしているかが重要になります。

賃貸契約で火災保険が必要な理由

そもそも、なぜ賃貸物件を借りる際に火災保険への加入が強く求められるのでしょうか。その理由を紐解きます。

火災や水漏れなどの損害に備えるため

一般的な火災保険では、火災のほか、落雷、破裂・爆発、水濡れなどの事故が補償対象となり、様々な突発的な事故による損害をカバーします。自分の不注意でボヤを起こしてしまったり、逆に被害に遭ったりした際に、金銭的なダメージを最小限に抑えるための重要な備えとなります。

ただし、補償範囲は商品によって異なるため、契約前に内容を確認することが大切です。

貸主への損害賠償に備えるため

賃貸契約では、借主は退去時に借りた部屋を元の状態に戻して返す「原状回復義務」を負っています。万が一、火災や水漏れを起こして部屋に大きな損害を与えてしまった場合、貸主に対して莫大な損害賠償責任が発生します。

個人の貯蓄では到底まかなえない金額になるため、保険による備えが必須なのです。

隣室・階下への被害に備えるため

集合住宅では、自分のミスが他人に被害を及ぼすリスクが常にあります。「洗濯機のホースが外れて水浸しになり、下の階の住人の家電や布団を水浸しにしてしまった」といったケースです。

こうした他人への損害賠償もしっかりとカバーしなければ、ご近所トラブルや訴訟に発展する恐れがあります。

家財の損害に備えるため

火災や水漏れ、あるいは盗難などによって、自分自身の持ち物(家具、家電、衣類など)が使い物にならなくなった場合、これらを買い直すための資金を補償するのも火災保険の重要な役割です。

ほとんどの賃貸契約で加入が求められる

上記の通り、未加入の状態で事故が起きると、貸主・借主・他の入居者の全員が取り返しのつかない不利益を被ります。

そのため、現在の賃貸市場では、ほとんどすべての賃貸契約において「火災保険(少額短期保険を含む)への加入」が必須条件として組み込まれています。

賃貸の火災保険料の相場

【図解】指定保険と自分で選ぶ保険の相場比較

賃貸用の火災保険料はいくらくらいが目安なのでしょうか。相場感を知っておくことで、高すぎる保険を見極めやすくなります。

不動産会社・管理会社指定の保険は2年で2万円前後が多い

不動産会社や管理会社から初期費用の見積もりとして提示される指定の火災保険は、契約期間である「2年間で1.5万円〜2万円前後」に設定されているケースが最も一般的です。ファミリー向けの広い物件や、家財補償が手厚いプランの場合は、2年間で2.5万円〜3万円程度になることもあります。

指定保険はこれらの相場の範囲内で設定されていることが多い一方、補償内容や付帯サービスによって保険料に差が生じます。

一般的な火災保険料は、部屋の広さや家財補償額、補償内容によって変動します。
目安としては単身向けで2年間約8,000円〜20,000円程度、ファミリー向けで約15,000円〜30,000円程度です。

ネット型や共済系では安く加入できる場合もある

一方、自分でインターネットから申し込めるダイレクト型の火災保険や、共済系の保険を利用した場合、2年間で数千円〜1万円程度に抑えられる場合もあります。

これは、代理店を通さないことで中間マージン(手数料)がカットされているためです。

保険料は補償内容・家財金額・地震保険の有無で変わる

保険料は「単身かファミリーか(持ち物の量)」によって家財補償の金額をいくらに設定するかで大きく変わります。

また、地震による火災や損壊をカバーする「地震保険」を付帯するかどうかによっても保険料は変動します。

安い保険でも補償内容が足りなければ意味がない

ネット型などで「年間4,000円!」といった格安プランを見つけても、詳細を見ると「借家人賠償責任が上限500万円まで」など、補償内容が薄いケースがあります。

管理会社から「最低でも借家人賠償は2,000万円必要です」と言われていれば、その安い保険は使えません。安さだけで飛びつかないよう注意が必要です。

不動産会社・管理会社が指定保険を勧める理由

「なぜ不動産会社はそんなに指定の保険に入らせたがるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。それには、管理側の実務的な理由が存在します。

加入漏れを防ぐため

最も大きな理由は「無保険状態」を防ぐことです。借主に自分で加入させると、「うっかり手続きを忘れていた」という加入漏れのリスクが生じます。

万が一その状態で火災が起きれば貸主は大きな損害を被るため、契約と同時に確実に指定保険に加入させる仕組みをとっています。

更新手続きを管理しやすくするため

賃貸の契約更新(通常2年ごと)の際、火災保険も同時に更新する必要があります。

管理会社が指定する保険であれば、賃貸の更新案内に保険の更新書類も同封できるため、更新漏れを防ぎ、物件全体のリスク管理を一元化しやすくなります。

補償内容を管理会社側で確認しやすくするため

借主がそれぞれ別の保険会社で契約すると、管理会社は一つひとつの保険証券を取り寄せて「この保険は貸主への賠償額が足りているか」「必要な特約がついているか」をすべて審査しなければならず、膨大な手間がかかります。

指定保険なら補償内容が事前に分かっているため、この確認作業を省略できます。

保険会社から手数料を受け取れるケースもある

不動産会社や管理会社が保険会社の「代理店」となっている場合、入居者がその保険に加入することで、保険会社から代理店手数料(コミッション)を受け取れるというビジネス上の側面もあります。

ただし、この代理店手数料だけを目的として指定保険を案内しているわけではありません。実際には、補償内容の統一や更新管理、事故発生時の対応をスムーズに行うためなど、管理業務を円滑に進める目的も大きく、不動産会社や管理会社にとってはリスク管理の一環として指定保険を採用しているケースが一般的です。

仲介会社ではなく管理会社が指定していることが多い

部屋探しを手伝ってくれる「仲介会社(窓口の不動産屋)」が保険を指定しているのではなく、物件を管理している「管理会社」や「貸主」が指定しているケースが大半です。

そのため、窓口の担当者に「保険を外して安くして」と交渉しても、担当者の裁量ではどうにもならないことが多いのが実情です。

指定の火災保険に入らなくてもいいケース

では、指定の火災保険ではなく、自分で選んだ保険に入ることが認められるのはどのようなケースでしょうか。

管理会社が他社保険の加入を認めている場合

管理会社の規定で「当社が提示する条件さえ満たせば、どの保険会社で契約しても構いません」とオープンにしている場合は、問題なく自分で選ぶことができます。

必要な補償額を満たしている場合

自分で選んだ保険が、管理会社が求める「借家人賠償責任」や「個人賠償責任」の最低補償額(例:2,000万円以上など)をしっかりと満たしていることが大前提です。ここをクリアしていれば、許可が下りる確率は高くなります。

加入証券を提出できる場合

「自分で加入した証明」として、保険会社から発行される「保険証券(または加入証名証)」のコピーを、鍵の引き渡し前や契約時までに管理会社へ確実に提出できることも必須条件です。

審査後・契約前に相談すると話が通りやすい場合がある

「自分で保険を選びたい」という希望は、入居審査の段階や、遅くとも重要事項説明(契約)の前に仲介会社へ伝えましょう。

契約書が完成してから「やっぱり保険を変えたい」と言うと、書類の作り直しになりトラブルの元になります。早めの相談がスムーズに進めるコツです。

指定の火災保険に入らないといけないケース

逆に、どうしても指定保険に加入しなければならないケースもあります。

契約条件として指定保険加入が求められている場合

賃貸借契約書や重要事項説明書に「貸主の指定する火災保険に加入すること」と明確に記載されており、それが契約の必須条件となっている場合は、従う必要があります。

貸主・管理会社が補償内容の統一を重視している場合

特に大手の管理会社や、独自の入居者サポート(24時間駆けつけサービスなど)と火災保険をセットにして提供している場合、業務の効率化やトラブル防止のために「例外は一切認めない」というスタンスをとっていることがあります。

他社保険では補償内容が足りない場合

自分で探してきた保険の補償額や特約が、管理会社の規定する水準に達していないと判断された場合は、他社保険での加入は却下され、指定保険に加入し直すよう求められます。

指定保険を拒否すると契約できない可能性もある

「どうしても指定保険には入りたくない」と頑なに拒否した場合、貸主側は「それならお部屋を貸すことはできません」と契約を断る権利があります。

無理にゴネて入居自体が白紙になっては本末転倒ですので、指定が絶対条件の場合は納得して加入するか、別の物件を探すしかありません。

自分で火災保険を選ぶときに見るべき補償内容

もし自分で火災保険を選ぶことになった場合、保険料だけを見るのではなく、以下の補償内容がどのようになっているかを必ずチェックしてください。

借家人賠償責任|貸主への損害賠償に備える補償

借家人賠償責任とは、火災や破裂・爆発、水漏れなどを起こしてしまい、借りている部屋に損害を与え、貸主(大家さん)に対して法律上の損害賠償責任を負ったときに備える補償です。「大家さんへの賠償金」と考えてください。

賃貸契約において最も重要な補償であり、管理会社や貸主が一定以上の補償額を求めることが多く、2,000万円以上を条件としているケースも少なくありません。

※必要とされる補償額は物件や管理会社によって異なります。自分で火災保険を契約する場合は、事前に管理会社が求める補償額を確認しておくと安心です。

個人賠償責任|階下や他人への損害賠償に備える補償

個人賠償責任とは、日常生活の中で他人の身体や財物に損害を与えてしまったときに備える補償です。

賃貸で多いのが「洗濯機のホースが外れて水が漏れ、下の階の住人の天井や家具を水浸しにしてしまった(階下漏水)」というケースです。この補償がないと、下の階の人への賠償を自腹で払うことになります。上限額は1億円以上、または無制限に設定されている商品も多くあります。

なお、個人賠償責任保険は、自動車保険や傷害保険、クレジットカード付帯保険などですでに加入している場合があります。補償内容が重複すると保険料が無駄になることもあるため、新たに加入する前に現在加入中の保険を確認しておくとよいでしょう。
ただし、管理会社によっては火災保険に個人賠償責任補償が含まれていることを条件とする場合もあるため、自己判断で外さず事前に確認することが大切です。

家財補償|自分の家具・家電・持ち物への補償

火災や水漏れなどでダメになってしまった自分自身の持ち物(家具、家電、衣類など)を補償するものです。現在所有している家財の価値や、万が一買い替えが必要になった場合の費用を目安に補償額を設定します。

なお、家財補償は設定金額が高いほど保険料も高くなるため、必要以上に大きな補償額を設定する必要はありません。現在所有している家財の量や価値に合わせて設定すると、無駄のない保険料で加入できます。

一般的な家財補償額の目安は以下のとおりです。

  • 一人暮らし:300万円前後
  • 二人暮らし:500万円前後
  • ファミリー:700万〜1,000万円程度

※家財の量や高額な家具・家電、趣味用品などの有無によって必要な補償額は異なります。

修理費用補償|室内設備の損害に備える補償

貸主との契約に基づき自己負担で修理しなければならない場合の費用を補償するものです。

偶然の事故によって室内設備が破損し、借主が修理費用を負担しなければならない場合に補償されることがありますが、補償対象となる事故や範囲は保険商品によって異なります。

【事故の例】

  • 道路からの飛び石で窓ガラスが割れてしまった
  • 空き巣被害でドアの鍵を壊された
  • 不測の事故で洗面台を割ってしまった など

地震保険|地震による損害に備える補償

火災保険は原則として「地震を原因とする火災・倒壊」は補償対象外です。地震による家財の損害に備えたい場合は、火災保険とセットで「地震保険」に加入する必要があります。

必須ではありませんが、災害リスクを考えて付帯するかどうかを判断しましょう。

賃貸の火災保険で失敗しない選び方

自分で火災保険を選ぶ際に、後悔しないためのポイントを整理します。

保険料だけで選ばない

繰り返しになりますが、「年間数千円で済むから」という理由だけで選ぶのはやめましょう。いざ事故が起きた時に「そのケースは対象外です」「補償額の上限を超えています」と言われてしまっては、保険に入っている意味がありません。

借家人賠償責任は十分な金額にする

管理会社から指定額が提示されていればそれに合わせます。指定がない場合でも、ワンルームで1,000万円、ファミリー物件なら2,000万円程度は最低でも設定しておくと安心です。

個人賠償責任の有無を確認する

個人賠償責任は特約として付帯するケースが多いため、プランに入っているかを必ず確認してください。

なお、自動車保険やクレジットカードの付帯保険などで既に「個人賠償責任保険」に入っている場合は、補償が重複するため外すことで保険料を節約できることもあります(事前に管理会社に相談が必要です)。

家財補償は持ち物の量に合わせて考える

家財補償の金額を高く設定しすぎると、無駄に保険料が高くなります。「今ある家財をすべて新品で買い直したらいくらになるか」をざっくり計算し、適正な金額(単身なら300万円前後など)に設定しましょう。

契約書や重要事項説明書の条件を確認する

「自分で入ってもいいよ」と口頭で言われても、契約書に「〇〇保険に加入すること」と書かれていればトラブルになります。

重要事項説明を受ける際に、保険に関する取り決めがどう記載されているかを確認しましょう。

不明点は管理会社・仲介会社に確認する

「この保険会社のこのプランで審査に通るか?」と不安な場合は、申し込む前に保険のパンフレットや詳細がわかるURLを仲介会社の担当者に送り、管理会社に確認してもらうのが最も確実です。

火災保険を自分で選びたいときの進め方

【図解】自分で保険を選ぶときの交渉ステップ

不動産会社に「自分で火災保険を選んで加入したい」と申し出る際の、スムーズな進め方のステップです

加入したい保険のパンフレットやURLを用意する

まずはネットなどで自分に合った火災保険を探し、補償内容が詳しく書かれたページ(URL)や、PDFのパンフレットを用意します。

仲介会社に「希望の保険に入りたい」と相談する

入居申し込みのタイミング、または初期費用の見積もりをもらった段階で、仲介会社の担当者に「自分で火災保険を探したのですが、こちらの保険で契約できるか管理会社(または貸主)へ確認をお願いできますか?」と相談します。

契約直前になってから言うとトラブルになりやすいため、早めの打診が鉄則です。

借家人賠償責任・個人賠償責任の補償額を伝える

仲介会社に相談する際は、保険の資料やURLを提示し、ただ「この保険にしたい」と伝えるだけでなく、「借家人賠償が〇〇万円、個人賠償が〇〇万円のプランです」と具体的な数字を抽出して一緒に伝えましょう。

管理会社が審査で最も気にする「補償額」を自ら提示することで、管理会社側でも補償内容を確認しやすくなり、手続きがスムーズに進みやすくなります。

契約後は加入証券を管理会社に提出する

無事に許可が下りて自分で保険を契約したら、保険会社から送られてくる「保険証券」または「加入証明書」のコピーを、指定された期日(多くは鍵の引き渡し日まで)に管理会社へ提出します。

保険の更新漏れに注意する

自分で保険を選んだ場合、賃貸契約の更新とは別に、自分で保険の更新手続きを行わなければなりません。更新を忘れて無保険状態になると、管理会社から更新手続きを求められたり、契約違反として是正を求められたりする可能性があります。

万が一その状態で事故が発生すると、高額な損害賠償を自己負担しなければならないため、更新漏れがないよう管理しましょう。

賃貸の火災保険でよくあるトラブル

【図解】火災保険にまつわる「よくあるトラブル」

火災保険にまつわる、よくあるトラブル事例をご紹介します。

指定保険以外は不可と言われる

「ネットの安い保険にしたい」と伝えても、「当物件は指定保険への加入が契約条件です」と一蹴されるトラブル。この場合、仲介会社に非はなく、貸主側のルールであるため、物件を諦めるか指定保険に入るかの二択になります。

安い保険にしたら補償額が足りなかった

自分で安い保険を契約し、証券を提出したところ「借家人賠償責任が1,000万円では足りません。2,000万円のプランに入り直してください」と再提出を求められ、二度手間とキャンセル料が発生してしまうケースです。事前の確認不足が原因です。

更新を忘れて無保険状態になる

2年後の更新時、保険会社からのハガキを見落として更新手続きを忘れてしまうトラブル。

この無保険期間中に水漏れ事故を起こしてしまい、数百万円の賠償を全額自己負担することになったという恐ろしいケースも実際にあります。

退去時に保険解約を忘れる

意外と多いのがこれです。 賃貸物件を退去して部屋の解約手続きはしたものの、火災保険の解約手続きを忘れて放置してしまうケースです。

火災保険は自分で解約の連絡をしない限り満期まで続きます。期間が残っていれば未経過分の保険料が返金(解約返戻金)されることが多いので、退去時は必ず保険会社にも連絡しましょう。

火災保険で使えると思った費用が対象外だった

「火災保険に入っているから、部屋の修理費は何でも補償される」と思っていたものの、実際には保険金が支払われず、自己負担になってしまうケースも少なくありません。

火災保険は、火災や水漏れ、落下物などによる「偶然の事故」による損害を補償する保険です。そのため、次のようなケースは補償対象外となることがあります。

  • 経年劣化や通常使用による傷み(壁紙の日焼け、設備の老朽化など)
  • 故意または重大な過失による損害
  • 補償対象外となっている事故(契約内容によって異なる)
  • 免責金額(自己負担額)以下の損害

例えば、「壁にうっかり穴を開けてしまったから火災保険で修理できる」と思っていても、事故の状況や加入している保険の補償内容によっては保険金が支払われないことがあります。

また、地震・噴火・津波が原因となる損害は、原則として火災保険だけでは補償されず、地震保険への加入が必要です。

火災保険の補償範囲や適用条件は商品によって異なるため、「火災保険に入っているから安心」と考えず、契約前に補償内容や約款を確認しておくことが大切です。

賃貸の火災保険に関するよくある質問

最後に、賃貸の火災保険に関する疑問をQ&A形式でまとめました。

賃貸の火災保険は自分で選べますか?

原則として自分で選ぶことは可能です。

ただし、貸主や管理会社が指定保険への加入を契約の必須条件としている場合は、自分で選ぶことはできません。

管理会社指定の火災保険に入らないとダメですか?

指定保険が契約条件となっている物件では、加入しないと賃貸契約そのものが結べません。

条件になっていない場合は、必要な補償額を満たした他社保険に変更できるか相談してみましょう。

賃貸の火災保険料はいくらが相場ですか?

不動産会社が指定する保険の場合は、2年間で1.5万円〜2万円前後が一般的な相場です。

自分で探すネット保険などでは、補償内容を絞ることで年間数千円〜1万円程度に抑えられることもあります。

火災保険に入らないとどうなりますか?

賃貸契約が結べないか、入居中に無保険が発覚した場合は契約違反となり、保険への加入を求められたり、状況によっては契約解除などの対象となる可能性があります。

また、万が一火災や漏水事故を起こした場合、数百万〜数千万円の賠償金をすべて自腹で支払うことになり、人生が破綻するリスクがあります。

借家人賠償責任はいくら必要ですか?

物件の広さや構造、管理会社や貸主によって必要な補償額は異なりますが、一般的に補償金額は1,000万円から2,000万円程度が目安とされており、2,000万円以上を条件としている物件も多くあります。

契約前に必要な補償額を確認し、それを満たす保険を選ぶことが重要です。

個人賠償責任は必要ですか?

洗濯機の水漏れで下の階に被害を与えた場合などに必要となるため、賃貸生活において必須レベルの補償です。上限1億円などで設定されることが多いです。

退去するとき火災保険は解約できますか?

はい、解約できます。引越しが決まったら、自分で保険会社または代理店に連絡して解約手続きを行ってください。

契約期間が残っていれば、残りの期間に応じた保険料が返金されます。

まとめ

賃貸契約時の火災保険について、指定保険と自分で選ぶ場合の違いや注意点を解説しました。

最後に、自分で火災保険を選んで相談したい場合の「チェックリスト」をまとめます。

  • 契約条件で「指定保険加入が必須」となっていないか確認したか
  • 早めの段階(申込時や重要事項説明の前)に仲介会社へ相談しているか
  • 検討している保険の「借家人賠償責任」は十分か(1,000万〜2,000万円等)
  • 「個人賠償責任」は付帯されているか
  • 補償内容がわかるURLや資料を不動産会社へ提示できるか
  • 契約後、速やかに保険証券を提出できるか

火災保険は「安ければ何でもいい」というものではありません。万が一のトラブルからあなた自身の生活を守り、貸主や他の入居者への責任を果たすための大切なお守りです。

保険料の安さだけでなく、しっかりと補償内容と契約条件を確認し、納得した上で安心できるお部屋の契約を進めてくださいね。

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